職人一人ひとりが考える
創意工夫が現場を支えている
MESSAGE
職人自ら考え、“要望のその先”を実現するものづくり
ものづくりをする上で私が大切にしているのは、職人一人ひとりが自分で考えながら作ることです。1から10まで言われた通りにやれば、誰でも同じものは作れます。でも、それでは画一的な既製品を作るようで、面白くないじゃないですか。「こうした方がもっと良くなるんじゃないか」と考え、工夫することにこそ、オーダーメイドのものづくりの醍醐味があると思うんです。ただ、もちろんそれは職人の好きなように作るという意味ではありません。お客様の要望を形にするだけではなく、素材や強度、施工性、コストまで見据えながら、より良い方法を考え抜く。樹楽製作所では、一切の妥協なく、常に要望のさらに先の完成度を目指して、楽しみながらものづくりをしています。
製作の主な流れとしては、デザイナーが描いたプランを確認し、「天板はこれぐらいの厚みにしたら反りづらくなります」「この素材を使えば強度をより高められます」といった提案を行います。デザインの意図を理解し、より良い構造や品質、コストを実現するアイデアを、作り手だからこその視点で提案し形にしていく。それが私たちの役割です。
ときには、「できるだけ板を薄く見せたい」といった、そもそも条件的に実現が難しい要望もあります。そんなときも、「できません」で終わらせるのではなく、素材や構造を見直し、「こうすれば実現できます」と代替案まで考えます。お客様の希望と現実的なものづくりの両方を満たす方法を提案することを心掛けています。
仲間と知恵を出し合いながら、完成度を上げていく
お客様からは、日々さまざまな要望をいただきます。それに対して「どうしたら実現できるだろう」と悩むことはあっても、一人で抱え込んだままでは先に進めませんよね。樹楽製作所には工場長をはじめ、本当に頼れる職人がたくさんいます。私一人では解決できないことも、困ったらすぐに相談して、話し合う。みんなで知恵を出し合うことで、突破口が見えてくるんです。
そうした関係性は、協力会社さんとの間にも築かれています。こちらから細かな指示をしなくても「ここの仕上がりは、より丁寧に作業しないと樹楽製作所クオリティにならないからしっかりやろう」と、自ら判断して作業を進めてくださるのです。同じ完成形を思い描き、同じ品質基準でものづくりに向き合っていただけることをとても心強く感じています。一人では実現できないことも、仲間や協力会社さんとコミュニケーションを重ね、一つのチームとして向き合っていく。知恵と創意工夫を積み重ねていくことが、樹楽製作所ならではの品質や解決力を可能にしているのだと思います。
教え過ぎない。それが、“考える職人”を育てる
樹楽製作所のものづくりが誰からも評価されるようにするためには、自分で考えられる職人を育てることが何より大切だと思っています。でも「もっと意識を高く持て」と言葉で伝えたところで、本当の意味でその意識は身につきません。だから私は、あえてあまり教え過ぎないようにしています。
まずは自分で考えて、手を動かしてみる。そうすると、「ここの仕上がりがまだ甘い」「このやり方では足りなかった」など、自分自身で気付くことがあります。その経験こそが、職人としての血肉になっていくのです。
もちろん、ベテランの職人が何も見ていないわけではありません。立ち止まっている若手にはしっかりサポートします。でも、ことあるごとに細かく指摘するということはしません。例え失敗しても、それは大切な経験ですから。私が全部教えれば、効率よく完成度の高いものが作れるかもしれませんが、それだと本人の力にはならないし、何より作っていて楽しくないと思うんです。
自分で考え、手を動かし、失敗しながら学んでいく。その繰り返しが、職人を育て、 “樹楽製作所クオリティ”を支えます。職人一人ひとりがものづくりの面白さを実感しながら成長していくこと。それこそが、これからの樹楽製作所にとっても、お客様から見た品質にとっても必要なことなのだと思っています。
取締役・製作部部長
今関 祐紀
現場取付大工や家具製作を経て、2015年に樹楽製作所へ入社。取締役・製作部部長として、材料発注や図面チェック、施工管理チームとの打ち合わせ、検品、そして製作メンバーや協力会社への製作指示を行う。製作部全体の品質管理を担う一方で、メンバーの育成にも尽力。